塩練 理紗・しおねり りさ​

山梨県出身

3歳よりクラシックバレエを習いトータル26年間趣味として続けました。大学時代はチアリーディングを経験。

 

大手半導体製造装置メーカに勤務し病気が見つかり退職。その後興味のあった身体に関することを学び現在に至ります。

会社員として生活していたある日、眼の不調から脳かもしれないと直感で感じました。MRI検査をしたところ脳腫瘍が見つかりました。腫瘍は悪性脳腫瘍で神経膠腫でした。ここから目まぐるしく状況が動き、手術をするための病院探しが始まりました。紹介された病院をいくつか受診もしましたが、自分で探したセカンドオピニオンの札幌の医師のもとで手術をすることにしました。手術前何度も検査を受け詳しく調べた腫瘍細胞は脳に染み込むように広がるもので取っても取りきれないことがほとんどで再発を繰り返す種類のもの。術後でも5年生存率60%というものでした。この数字がどういうものなのか今でもよく分からずにいます。ただ、一般的な期限付きの生命が数値で表されているのかなと思いました。そこに私は当てはまるのか？分からないから当てはめなくていい。と考えるようにしました。
 

手術は成功し後遺症もなく身体は少しずつ回復し元の状態に戻りました。会社員という安定した職や企業の看板の枠に嵌っている安心感から離脱するのが怖く、仕事内容も好きだったため職場に戻る気満々だったのですが夫の反対や身体への負担を考え、やりたいことをやろうと決めて退職し元々身体に興味があったので続けていたアシュタンガヨガに加え解剖学や手技を学び、ピラティスを学びインストラクターの資格を取得しました。

この時から、食を変え、生活を変え、思考を変える努力をし今までの人生を全て変えました。この時が人生何度目かにして最大の転機だったように思います。

それから４年後、バンコクでピラティスインストラクターとして生活していた時、また根拠の無い直感に突き動かされ日本に帰国する際直行で札幌の病院に行き検査すると腫瘍は再発していました。手術の日程を決め一旦自宅に戻り手術までの２ヶ月を過ごし再入院し2度目の手術を受けました。今回は腫瘍を前回よりさらに広範囲で深く取るということでした。この時は不思議と全くと言っていいほど恐怖や不安はなく、きっと大丈夫元通りになる。と、また根拠の無い自信がありました。

２回目の手術も成功し、身体や脳への影響は全く感じられず5年が経ちます。

定期的にMRIを撮るため主治医を変え、仙台の病院に通っていますが目に見えて変化しています。腫瘍範囲は広くなり脳脊髄に向かって深くなっています。医者からは取り除くだけでなく放射線治療を進められています。放射線でも進行を遅らせることは可能かもしれないしそうで無いかもしれない。全てが手探りで結果が出てみないと分からない。そんな放射線治療で身体に負担をかけたく無い、今不自由なく動ける身体と生活を少しでも維持したいと考え放射線治療だけは拒否し続けています。

​病状が進行しているのは間違いありませんがそれをMRI画像で目で見て確認しこの先どうなるか検討もつかない生命のリミットを感じられる生活は実はとても充実していてありがたいものだと思っています。

人は必ず死を迎えます。生まれた時から死というエンディングに向かって人生ドラマを生きます。死なんて普段意識することなく生きてしまうのがほとんどの私たちです。それでも必ず来るものに対していつも定期的に向き合える私はとても幸せだと思っています。

こんな私だからこそ、自分に対する想いや、伝えたい想い、さらには人に対し何かしらできることがあると信じ今を生きています。

良い意味で生きることへの執着を手放し天にお任せしつつ、与えられた生命と身体を私と私以外の方のためにめいいっぱい​つかいきろうと日常や周りに居てくれる人に感謝しつつ、色々な気づきを得ています。

​ぜひたくさんの方とご縁があり彩豊かな人生を送りたいと思っております。

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​2024年